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上橋菜穂子「獣の奏者」5冊合本版

前の職場で関西から来た先輩がいたのですが、かなりの多読家でした。その先輩にどんな本を読んでて面白かった本を聞いてみた時に出てきた作品がこれ。

 

獣の奏者 全5冊合本版 講談社文庫

獣の奏者 全5冊合本版 講談社文庫

 

 ファンタジーなんすよ。その先輩は関西人でイケイケで変わり者でワールドワイドな人でしたが、ぱっと見のイメージが「キャッチャー」なので、なんか歴史ものとかスポーツものが好きなのかと勝手に思っていました。だから「獣の奏者」と言われたときにちょっと意外な感じがしたんですよね。

自分としてはファンタジー物は結構好きで中学高校あたりはちょくちょく読んでました。ライトノベル的な読みやすさもあって入りやすかったんでしょうね。

ファンタジー作品と一口に括っても、作品毎に作者が描きたい事は違う訳で、この作品は「獣」人の相容れぬ境界線をつづった話。

 ファンタジーという世界観の中で、その独特の秩序について、作者の語り口やそのストーリーの描き方が荒唐無稽の話に論理性と説得力を持たせているような気がします。

初めに前半2冊分が出版され、その後、読者の反響もあって続編という形で後半2冊と外伝が出版されたそうですので、実質4冊目までが本編というところ。ストーリーの終幕は若干粗削りなところが垣間見えましたが、ライトノベルという分類としてはちゃんと作りこまれていて、読み手を飽きさせない感じがします。

それになんといっても、この読みやすさはストーリーにテンポを持たせて、登場人物に感情輸入を促し、読み進めること自体を楽しくしてる、そんな感じがしました。

まずは初めの2冊だけでも読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)

 

 

 

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)