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群馬で自由人からリーマンになった恋する男の趣味に生きるブログ。

「ボーン・コレクター」読了

僕は映画を先に見ました。

 

ボーン・コレクター〈上〉 (文春文庫)

ボーン・コレクター〈上〉 (文春文庫)

 

 

ボーン・コレクター〈下〉 (文春文庫)

ボーン・コレクター〈下〉 (文春文庫)

 

 映画自体よくできていて、個人的には面白かったという印象ですが、アマゾンの本の方のレビューを見ると、「原作の方がいい」「原作を読んでから映画を見るといまいち」という意見が大半。

原作とそれを映像化した場合、なかなか原作を忠実に再現して映像化するというのは難しいんでしょうね。小説の場合は長さに制限はありませんが、映画の場合は2時間~2時間半という枠の中に収めなくてはなりませんから。

映像で表現するのも限界があるんでしょうね。手塚治虫はマンガの表現の中で、より残酷なシーンなどはその寸前までを書いて実際のシーンは書かないという手法をよくとっていました。イメージの方が絵にするよりもすごく残酷なシーンを思い浮かべるからです。小説も似たところがあって、細かい描写の中でも書かれていないことは自分の中で補完するわけですが、ボーンコレクターはその内容が非常に緻密。映像化したら陳腐になってしまいそうなシーンも脳内ではとってもグロテスクに再現されてしまうのが恐ろしくもあり魅力でもあります。

 この小説の魅力はぞくぞくするような描写以外だけでなくスピード感あふれる展開という点もあります。大量の証拠を手際よく分析してつなげていく、点と点がつながっていく様は読んでいて痛快です。まあ、実際の捜査現場ではどんな感じなのかは知りませんが、こういう展開が本当になされているのであれば鑑識という仕事は魅力ある仕事に思えてきます。

主人公であるリンカーン・ライムのニューヨークの犯罪や歴史に対する知識の深さ、博識ではあっても偏屈という印象はは職人に通ずるものを感じますね。

続編があるので、「獣の奏者」を読んだら読んでみようと思います。