スキーとネットとロードバイクと旅。

群馬で自由人からリーマンになった恋する男の趣味に生きるブログ。

ロードレースのエッセンスが分かりやすく詰まってて、雰囲気がでてますね。

知人のススメもあり、見てみました。

茄子 アンダルシアの夏 [DVD]

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茄子 スーツケースの渡り鳥 [DVD]

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アンダルシアの夏」スペインに行ってみたくなる。あまり長編ではないですが、よくまとまってます。

余計な解説などは一切無いので、ちょっとぐらいはロードレースの仕組みをあらかじめ知っておく必要はあります。
ただ、そうやって余分な物を取り去っている分、ストーリーが間延びしなくていいんですよ。ストーリーは47分と短いのですが、ぎゅっと見所が詰まっている感じ。
茄子のスペイン風の漬け物が出てくるのですが、それがどうやらタイトルと絡んでいるようです。詳しいことは分かりませんが。
主人公の声を大泉洋、ヒロイン役を小池栄子など、声優でない芸能人が担当しているのですが、あまり不自然さを感じません。というか、大泉洋の練度に感心しました。彼は舞台もやっていますが、そのためか、きちんとアニメに乗った声でしゃべってまして、ストーリーを邪魔しません。
一点気になったのはロードバイクのスピード感があまり出てないのが欠点でしょうか。「アンダルシアの夏」は全編セル画だと思うのですが、ペダリングと速度がかみ合っていないんですね。高坂希太郎が監督ですが、ちょっといただけないですね。ま、確かにセル画で背景と速度を合わせるのって難しいらしいんですが、例えば宮崎駿だったらきっちり仕上げてきますよ。「カリオストロの城」とか、そういう意味では見るところ満載ですね。

とはいえ、よくできてます。あー、スペイン行ってみてー、自転車旅行してみてーって、感じになります。

「スーツケースの渡り鳥」今度の舞台はジャパンカップ。アシスト冥利を垣間みる感じが良い。あとCGの使い方が良いかも。

つづいて「スーツケースの渡り鳥」は、ジャパンカップを舞台にしてます。舞台は宇都宮森林公園かな?アジア最大のワンデーレースですが、個人的にはジャパンカップである意味がこの物語ではあまり感じられないですねぇ。サポート役の日本人の女の子とのストーリーもあまりよくわからんのですよ。そういう意味ではストーリーは「アンダルシアの夏」の方がよかったかな。
ただ、こちらはロードレースの雰囲気はよく出てますね。とくに逃げ、牽引、発射台的な要素が前作よりもうまく描けてます。ラストの方で、ボロボロになりながらテントで表彰式を聞いている様子がなんか生々しくていいですね。
監督は高坂希太郎と前作と同じですが、今回はCGが随所に使われてます。これがロードバイクのスピード感によく合ってます。うまいなーと思ったのは、主にCGが背景にだけ使われていて、人と自転車は原画がそのまま使われているところでしょうか。イニシャルDは車も背景もどちらもCGで書かれていましたが、車と人がなんだか絵のタッチが違うんですよ。で、ストーリーから車が浮いてしまっている気がします。本作ではそういう不自然さが見受けられない。CGを背景のみに使って、スムーズに高速に流していくことで、高速走行中の雰囲気がすごくでてます。ツール・ド・フランスでゴール前のカーブが連続するところで、バイクカメラが先頭をとらえるところとかを思い出しますね。
声優陣ですが、前回同様大泉洋はいい感じです。で、今回副主人公役の声を山寺宏一が担当してます。いいですね、山ちゃん。ストーリーが締まります。

自転車ショーの歌「自転車はブルースだ」

サイクリング・ブルース

サイクリング・ブルース

物語とは関係ないですが、エンディングテーマには忌野清志郎の自転車ショーの歌が流れます。清志郎が他界してからもう一年半ぐらい経ちますか。なんだか最近忌野清志郎という人間のデカさをヒシヒシと感じるんですよ。
「自転車はブルースだ」と彼は言いましたが、そういう気持ちもなんだか分かる気がします。歳とったせいなのか、なんだか清志郎の生き方ってめっちゃかっこいいって思う最近。